報道のありかたについて私が感じたこと。

 下記の記事は大手新聞社の新聞記事の内容について、
 

「安倍総理の実際に言ったコメントと新聞の記事は、かけ離れているぞ!」
っと記載されています。
 
 わたしもオリンピックで実際に観戦したプレーとそれを伝える報道の内容があまりにもかけ離れていていたので、びっくりしました。
 
 もしかすると、今までもアスリートのコメントが活字の記事によって、本人の意志と違う記事になっていることもたくさんあるのではないのかと、私は感じました。
 
特に以下の3行の文章がよかったです。↓(I think so too.・・・)
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 安倍総理は、「交渉に参加するかどうかを判断する」と言っているにも関わらず、全ての大手紙が「参加表明」という言葉を見出しに掲げています。TPPについて誤った情報を国民に与えているかもしれないと少し感じました。
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 さて、安倍総理がオバマ大統領と会見され、TPP関連で騒ぎになっていますが、わたくしは今回、故意に一切のメディア報道に触れませんでした。まあ、「アベノミクス」(徳間書店)が佳境で、時間が無いというのもあるのですが、先入観一切なしで一次ソースのみに触れてみたいと思ったためです。
【安部総理日米首脳会談後の内外記者会見】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20163248
(書き起こし)

「(安全保障関係の同盟強化について説明。集団的自衛権、防衛費増額、防衛大綱の見直しなど同盟強化に向けた日本の取り組み、普天間基地、北朝鮮の核問題、拉致問題などについて。経済について、三本の矢、日本経済の再生について。その後TPP)

 

 TPPに関しては、その意義や、それぞれの国内事情も含め、じっくりと議論を致しました。オバマ大統領との間で、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といった、二国間貿易市場のセンシティビティが両国にあること、最終的な結果は、交渉の中で決まっていくものであること、TPP交渉参加に先だって、一方的に全ての関税を撤廃することを予め約束することは求められないことの三点を、明示的に確認いたしました。
 
 私は選挙を通じて、聖域なき関税撤廃を前提とするTPPには参加しないと、国民の皆様にお約束をし、そして今回のオバマ大統領との会談により、TPPでは聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になりました。なお、大統領との会談では、私から、これ以外にも、私たちが示してきた5つの判断基準についても、言及をしました。このほか、環境、エネルギー分野での協力、宇宙、サイバー分野での協力についても、議論を致しました。今後とも、大統領との信頼関係の上に、より強固な日米同盟を築いていく考えであります。私からは以上です。(中略)

(NHKからの質問)TPPについて伺います。聖域なき関税撤廃が前提でないことが確認できたということですけれども、国内ではまだ反対論も根強くありますが、今後どのように国内で手続きを進めていくお考えなのでしょうか。また、判断する時期についてはどのようにお考えでしょうか。
(安倍総理)今般の日米首脳会談においては、TPPの意義や、それぞれの国内事情について、時間をかけてじっくりと議論を致しました。私からは先の衆議院選挙で、聖域なき関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加に反対するという公約を掲げ、また自民党はそれ以外にも、5つの判断基準を示し、政権に復帰をしたと、そのことを大統領に説明を致しました。国民との約束は極めて重要であるという話をしたわけでございます。その上で、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といった二国間貿易センシティビティが両国にあること、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであり、TPP交渉参加に先だって一方的に全ての関税を撤廃することを予め約束することを求められていないことも、今回の対談で、オバマ大統領との間で確認をしたわけでありまして、そのような大統領との議論を踏まえ、私は聖域なき関税撤廃が前提ではない認識に立ちました。そして、今後ですね、参加するかどうかということについては、この日米首脳会談の結果を、党に報告を致します。25日は役員会がございますので、そこで説明をし、また、友党である公明党にも、説明を致します。そして、その上において、交渉参加するかどうかについて、これは政府全権事項として、政府に対し一任をして頂く、そういうことをお願いしていきたいと思っております。その上において判断する考えであります
 時期についてはですね、なるべく早い段階で、決断したいと思っています。(後略)」
 「聖域なき関税撤廃に反対」以外の五つの判断基準とは、例のこれでございます。
(1)政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
(2)自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
(3)国民皆保険制度を守る。
(4)食の安全安心の基準を守る。
(5)国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
(6)政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
 さて、これが日本国内でどのように報じられたか。
『東京新聞 TPP交渉参加表明へ 日本「成果」合作でシナリオ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013022402000108.html
 安倍晋三首相は近く環太平洋連携協定(TPP)交渉への日本の参加を表明する。二十二日の日米首脳会談で、安倍政権が求めてきた「『聖域なき関税撤廃』を前提とせず」との参加条件が満たされたと解釈し、最終判断した。自民、公明両党の執行部も首相に判断を一任する方針だが、コメなどを関税撤廃の例外とすることが確約されたわけではなく、慎重派の反発も予想される。(後略)』
『毎日新聞 安倍首相:TPP交渉参加表明へ 全関税撤廃求めず確認
http://mainichi.jp/select/news/m20130223k0000e010169000c.html
安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日未明)、オバマ米大統領とホワイトハウスで初めて会談した。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について「一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束することを求められるものではない」ことを確認し、共同声明を発表。首相はその後の記者会見で、TPP交渉への参加条件としていた「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」として、早期に交渉に参加する意向を表明した。(後略)』
『朝日新聞 首相、TPP交渉参加表明へ 関税の聖域、日米確認
http://www.asahi.com/politics/update/0223/TKY201302230071.html
 安倍晋三首相は22日昼(日本時間23日未明)、オバマ米大統領とホワイトハウスで会談し、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加について「あらかじめ全ての関税撤廃の約束を求められない」とする共同声明を発表した。首相は会談後の記者会見で「なるべく早い段階で決断したい」と強調。3月上旬にも交渉参加を表明する意向だ。(後略) 』
『産経新聞 日米首脳会談、関税「例外」を容認 TPP交渉参加表明へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130223-00000129-san-pol
 安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日未明)、ホワイトハウスでオバマ大統領と初めて会談した。両首脳は、米国が主導する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉参加に際して「全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束するものではない」と確認し、共同声明を発表した。TPP交渉参加条件が、文書として明示されたのも首脳レベルで確認されたのも初めて。日本側がコメなどを念頭に求めてきた関税撤廃の「例外」を事実上認めた内容で、首相は近く交渉参加を正式表明する見通しだ。(後略) 』
『読売新聞 TPP「一定の農産品例外」、3月にも参加表明
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130223-OYT1T00516.htm?from=ylist
 安倍首相が、日米首脳会談で、環太平洋経済連携協定(TPP)に関し、すべての品目の関税撤廃が前提ではないとの方針を確認したことで、政府は参加表明に向けた国内調整を急ぐ。
 米国などの承認手続きを経て、実際の参加は今夏ごろになる見込みだ。(中略)
 安倍首相は帰国後の25日から政府・与党内の意見調整を加速し、3月にも参加表明を行う方針とみられる。(後略)』
『日経新聞 TPP交渉参加6月にも決定 首相、週内表明めざす
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2302J_T20C13A2MM8000/?dg=1
 政府は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に踏み出す。安倍晋三首相は22日昼(日本時間23日未明)の日米首脳会談で、すべての関税撤廃を前提にしないことを確認した。与党から一任を取り付け、今週中に参加表明する考えだ。関係国との協議を経て6月にも日本の交渉参加が決まる見通しで、交渉では農業や自動車、保険市場の扱いが焦点になる。(後略)』
 凄まじい限りです。安倍総理は、「交渉に参加するかどうかを判断する」と言っているにも関わらず、全ての大手紙が「参加表明」という言葉を見出しに掲げています。TPPについて誤った情報を国民に与え、交渉参加を既定路線化したいのでしょうが、ここまで来ると、完全に民主主義の危機でございます。

 わたくしは、安倍総理がTPPに「農業以外」の分野、例えば建設サービス、医療サービス、保険サービス、さらには防衛などについても含まれていることをご存じであることをを知っています。というわけで、オバマ大統領との首脳会談の後に、安倍総理は「色々と確認できた。これから判断する」と発言すると予想しておりまして、ほぼその通りだったのですが、新聞の方は「判断する」を「参加表明する」と書き換えてしまうわけです。
 そして、全ての新聞がミスリードすることで、国民に誤解を与え、主権に基づき選ばれた政府の手足を縛る。これが民主主義の危機でなくて何なのでしょう。
 幸いなことに、自民党の「TPP参加の即時撤回を求める会」に参加している国会議員は、現時点で240人を数えます(先日より増えました)。彼らは、本気で「TPPは日本の形を壊してしまう」と考えているからこそ、反対姿勢を示しているわけですが、それに対し、国民が、
「お前らは農業票欲しさにTPPに反対しているだけじゃないか! 既得権益の犬が!」
 などとやってしまうと、反対の声を上げにくくなります。まさに、それこそがマスコミ、そして後ろにいる経済産業省や経団連の狙いなのです。
 自民党の反対派の考え方は、以下の宇都隆史先生のチャンネル桜における動画をみれば、日本国民であれば誰でも理解できると思います。
【宇都隆史】正しい報道を!国を憂えるからこそのTPP反対論[桜H25/2/15]
http://youtu.be/8sxlqQGYdko
http://www.nicovideo.jp/watch/1360918336
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 ~ 三橋貴明氏のブログ記事より抜粋 ~
 
           本日は、つい難しい記事になってしまってすみませんm(__)m
 
                        ーつづくー

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