日本新のゴールテープを切った直後、鈴木は首をかしげた。「情けない。(世界選手権で)メダルを目指すなら、ラスト5キロでスピードを上げないと勝てない」。落ちずとも上がらないペースが不満だった。
前半は大学生の西塔と競り合い、11キロすぎで抜け出した。「いいペースだった。日本記録の感覚はあった」。力強く安定した歩型は最後まで変わらなかった。
初出場のロンドン五輪で36位と振るわず、前半に全力を注ぐ形に限界を感じた。練習で1キロ当たりの目標タイムを5秒短縮。常に3分55秒を出せるよう特訓した。「計画通りに進められた。第1段階はクリアできた」。淡々と刻み続けた3分台は、成長の証しだ。
初出場のロンドン五輪で36位と振るわず、前半に全力を注ぐ形に限界を感じた。練習で1キロ当たりの目標タイムを5秒短縮。常に3分55秒を出せるよう特訓した。「計画通りに進められた。第1段階はクリアできた」。淡々と刻み続けた3分台は、成長の証しだ。
昨年末には強豪国のロシアを単身で訪問。練習環境を自分の目で確かめ、現地の強化担当者に合宿に参加したいと懇願した。まだ返答はないが、「実現したら、次の五輪までロシアで練習したい」と言う。前回の世界選手権では8位入賞。「次は集団の中で先頭に付いていき、最後にペースを上げられるよう強化したい」。25歳が見据えるのは、世界の表彰台だけだ。(2013/02/17-17:37)