【サンクトペテルブルグ(ロシア)、ビル・メイ】5月29日に行われた国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、9月の総会にはかる最終候補3競技を選ぶ投票が合計11回行われたことが分かった。
レスリングは第1回の投票で過半数(8票)を獲得して“当選”したが、最終的に候補に残った野球&ソフトボールは、第1回投票では1票も入らず、スカッシュは1票だったことが分かった。レスリングのない状況下での闘いは激戦を勝ち抜いたものの、レスリングのある状況での3競技の争いは、レスリングが圧倒的な本命であることが読み取れる。
理事会は、2020年大会で実施する最後の1競技を総会でIOC委員に選択してもらうため、1競技ではなく3競技残すことを決めた。その後、14人の理事による投票で、過半数を獲得する競技が出るまで、最下位または投票0を落として再投票するやり方でスタート。最初の投票でレスリングが当選した。
2番目の競技を選ぶ投票では、3回目の投票までは野球&ソフトボール、スカッシュともに空手と武術より下だった。スカッシュが“落選”したことで、その票が野球&ソフトボールに流れ、逆転で“2位当選”。
“落選”した競技を戻して6競技で行われた3番目の競技を選ぶ投票でも、スカッシュは最初の投票で空手、武術より下の投票だった。
最終候補には残ったものの、投票過程を見る限り、野球&ソフトボールとスカッシュには絶対的な強さが欠けるのが現実だ。
■第1回投票
レスリング8、武術3、スカッシュ1、スポーツクライミング1、空手1、残り3競技は0
→過半数獲得のレスリングが最終候補へ
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■第2回投票(レスリングを除いた7競技で実施)
空手5、武術4、スカッシュ2、野球&ソフトボール1、スポーツクライミング1、残り2競技は0
→過半数を超えた競技がなかったため、投票0だったローラースポーツとウェークボードを除いて第3回投票へ
■第3回投票(5競技で実施)
空手4、武術4、野球&ソフトボール3、スカッシュ2、スポーツクライミング1
→過半数を超えた競技がなかったため、最下位だったスポーツクライミングを除いて第4回投票へ
■第4回投票(4競技で実施)
空手4、武術4、野球&ソフトボール3、スカッシュ3
→過半数を超えた競技がなく、最下位が2競技だったため、“最下位決定戦”のプレーオフへ
■第5回投票(第4回投票の最下位決定プレーオフ)
野球&ソフトボール8、スカッシュ6
→スカッシュを除いて第6回投票へ
■第6回投票(3競技で実施)
野球&ソフトボール6、空手4、武術4
→過半数を超えた競技がなく、最下位が2競技だったため、“最下位決定戦”のプレーオフへ
■第7回投票(第6回の最下位決定プレーオフ)
空手9、武術5
→武術を除いて第8回投票へ
■第8回投票(2競技で実施)
野球&ソフトボール9、空手5
→過半数獲得の野球&ソフトボールが最終候補へ
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■第9回投票(レスリング、野球&ソフトボールを除いた6競技で実施)
空手5、武術4、スカッシュ3、スポーツクライミング2、ローラースポーツ0、ウェークボード0
→過半数を超えた競技がなかったため、投票0だったローラースポーツとウェークボードを除いて第10回投票へ
■第10回投票(4競技で実施)
スカッシュ5、武術4、スポーツクライミング3、空手2
→過半数を超えた競技がなかったため、最下位の空手を除いて第11回投票へ
■第11回投票(3競技で実施)
スカッシュ8、武術4、スポーツクライミング2
→過半数獲得のスカッシュが最終候補へ
情報もとの記事:レスリング決定のあと、10回の投票を得て残り2競技が決定
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つづく