水道橋博士と ビートたけし と松本ひとし
私はお笑いが大好きです。”世界中の皆様を笑わせることができたらいいな”っと本気で思っています。気になるお笑い人物がいます。
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たけしとひとし
日本テレビ。汐留。
収録開始ぎりぎりに着いた僕は、受付で入館証を手に入れると
誰もいない静かな廊下を横切って、慌てて、エレベーターに飛び乗った。
誰もいない静かな廊下を横切って、慌てて、エレベーターに飛び乗った。
スタジオのある階、「13」のボタンを押して、1人エレベーターで、ひと呼吸。
誰も乗っていないエレベーター。
出演者でもないのに、緊張してくる。
出演者でもないのに、緊張してくる。
なぜなら、実現しないと言われていた、お笑い界のボス猿2人
北野武……いや、ビートたけしさんと、松本人志さんの、バラエティのツーショット。
北野武……いや、ビートたけしさんと、松本人志さんの、バラエティのツーショット。
「たけしとひとし」という番組の収録が、この後、始まるからだ。
僕は、その歴史的な瞬間の立ち会いのためにやってきた。
世間的にもそうだろうけれど、僕にとっても、この2人は、お笑い界の神だ。
その2人の出会いという、歴史的な瞬間が、もうすぐやってくる。
僕は、ただ、それを見るためだけに、ここにやってきた。
「2人は、どんな空気で、どんな間合いで、なにを話すのだろう……」
なんて、考えていたら、エレベーターは13階に到着して、ドアが開いた。
……と、松本人志さんが、そこにいた。
たまたま、収録スタジオ入りの時間が重なってしまったようで
非常にヘンな状況ではあるが、松本さんたちと一緒に僕はスタジオへ向かう。
一言も発しないまま歩く、松本さんの背中を見つめて、僕も歩く。
数人の足音だけが、冷たく乾いて響く。
しばらく歩くと、収録スタジオの入口に着いた。
松本さんは、そのまま中へと入っていくが
さすがに僕も一緒に入っていくのはどうかと思い、スタジオのドアの前で立ち止まる。
さすがに僕も一緒に入っていくのはどうかと思い、スタジオのドアの前で立ち止まる。
そして、わずか数分後、ふと気配を感じて、左を向くと、廊下の向こうから
北野武……いや、ビートたけしさんが、やってくる。
北野武……いや、ビートたけしさんが、やってくる。
これまた凄いタイミングに来ちゃったなあ、と思いながらも
たけしさんがやってくるのを、ドアの前で待つ。
たけしさんがやってくるのを、ドアの前で待つ。
僕の前で向きを変え、収録スタジオへと入っていく、たけしさん。
まだ収録前の、そのスーツ姿は、まるで映画の彼、北野武だった。
まだ収録前の、そのスーツ姿は、まるで映画の彼、北野武だった。
松本人志さんが、無言で、スタジオへ入っていく。
その僅か数分後、たけしさんが、無言で、スタジオへ入っていく。
非常に不思議な話ではあるが
自分とは違う山の、ボス猿に会おう、とスタジオに入っていく2人は
なんだか、同じような空気を纏っているように感じた。
自分とは違う山の、ボス猿に会おう、とスタジオに入っていく2人は
なんだか、同じような空気を纏っているように感じた。
その数分後、バラエティ番組「たけしとひとし」の収録は始まった。
数多くのライトに照らされ、スタジオで笑いが起きる。
「OFF」の世界から、あっと言う間に「ON」の世界に変わる。
「手探り」の時間は、短かったように感じた。
互いが、互いのバランスと役割を確認し、ゆっくりと滑り出していく。
2人ともが、とてもシャイで、人見知りであることが、凄く伝わってくる。
互いが、互いのバランスと役割を確認し、ゆっくりと滑り出していく。
2人ともが、とてもシャイで、人見知りであることが、凄く伝わってくる。
2人は、お笑いの世界の「ボス猿」同士だ。
長い年月をかけ、それぞれの猿山の戦争に勝ち残ってきた2人。
その2人のボス猿が、一緒の山に登ろうということである。
しかし、それは見事なタイミングの取り合いであった。
相手に譲るタイミングと、自分が出ていくタイミング。
その態度と間合い、そしてトーク自体が、互いの自己紹介を兼ねる。
ボス猿同士が、2人でどう山へ登っていくか、という確認の時間は
オープニングトークという、僅か数分の間に、終わったように見えた。
オープニングトークという、僅か数分の間に、終わったように見えた。
それからは、まるで、先週も会った2人、のように番組は進んでいく。
僕はたった30分ほど番組を見学して、スタジオを後にした。
僕を現場に誘っていただいた、日テレの土屋さんからは
「2人がバラエティ番組で出会う、ファーストコンタクトの瞬間をぜひ、目撃してくれ」
と、言われていた。
と、言われていた。
ファーストコンタクトの瞬間どころか、2人がスタジオ入りするときの表情
その空気まで現場で捉えることができたのは、僕だけだったのではないだろうか。
その空気まで現場で捉えることができたのは、僕だけだったのではないだろうか。
偶然ながらも、非常に有り難い、歴史的な瞬間に立ち会わせていただいた。
ビートたけしと、松本人志が、初めてタッグを組んだ番組
表面的には、強力なツートップによる、バラエティ番組なのだが
ぜひ、「ボス猿同士が出会った、最初の数分」を、鋭く見つめていただきたい。
ぜひ、「ボス猿同士が出会った、最初の数分」を、鋭く見つめていただきたい。
多少、テレビ一般的には、無駄と思われるかもしれない空気が流れようと
ぜひ、その空気が伝わるよう、無理に編集せずに放送されることを、祈るばかりだ。
ぜひ、その空気が伝わるよう、無理に編集せずに放送されることを、祈るばかりだ。
あまり言ってしまうと面白くないので、1つだけ。
ボス猿同士が出会ったそのオープニングトークで
僕は、どのように、どちらから、相手の懐に入っていくのだろう、と
マニアックな目線で見つめていたのだが、その瞬間があった。
僕は、どのように、どちらから、相手の懐に入っていくのだろう、と
マニアックな目線で見つめていたのだが、その瞬間があった。
松本人志さんが、「今日の収録は長いんですよー」、と言う。
「今日、水道橋博士が、出演するって聞いてるんですけど
さっき見たら、博士、まだ、大阪の読売テレビの生放送に出てましたからねえ」
さっき見たら、博士、まだ、大阪の読売テレビの生放送に出てましたからねえ」
スタジオはどっと笑い、たけしさんの表情が変わる。
水道橋博士さんは、ビートたけしの追っかけから弟子になった人である。
たけしさんからすれば、自分の猿山の猿の話だ。
たけしさんからすれば、自分の猿山の猿の話だ。
スタジオを笑いに包みながら、収録の空気感をコントロールし
お笑い界の先輩であり、巨匠の心を、ふっと緩くさせることに成功した
そのトークのテクニックは、流石あっぱれ、天才の技を見た
お笑い界の先輩であり、巨匠の心を、ふっと緩くさせることに成功した
そのトークのテクニックは、流石あっぱれ、天才の技を見た
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情報ソース eno blog
~感想~
たまたま偶然に、ビートたけしさん と 松本ひとしさん とスタジオ入が同じ時間になった水道橋博士。そのたけしさんとまつもとさんのその空気がとてもいいと記載してあります。
私もわたい時に、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった(今も凄いですが)「とんねるず」の木梨憲武さんの「ねるとん紅鯨団!」に出演したときにご一緒させていただきました。
収録本番までのぴーんと張り詰めたその空気は独特なものでした。空手の全日本選手権の決勝戦の空気と似ているともろもあります。
武道とお笑い、まったく畑違いと思われがちですが、いつも真剣勝負をしているのだと、この水道橋博士の記事を読んで私はそう感じました。